江戸時代は暗黒時代?

 『江戸時代はエコ時代』講談社文庫)という本で著者の石川英輔さんは、「家永三郎さんの『検定不合格日本史』によると、〈長い間鎖国を続けたため、日本は世界の文化の脅威すべき進歩から取り残されてしまったが…。このことが幕府の専制を維持するためにはきわめて好都合だった〉といっています」と。 

 著者石川さんは「世界の脅威すべき進歩」が齎した植民地主義や現在の浪費経済を取り上げていますが、私はもう一つの視点「幕府の専制云々」を考えて見ます。
 家永さんに代表される“進歩的文化人”がこれをいう場合、「江戸時代の一般市民は、がんじがらめのお上の監視と貧乏とで、暗い人生を送らざるを得なかった」ということだと思います。

 以前、館山市立博物館で古文書の講座を聞きに行きました。
 教材は、畑地区の旧家所蔵の『年貢の取り立て帳』だったと思いますが、それぞれの田んぼが「日照りで半作でした」、「大水で流されました」、「ウンカにやられました」と割当を大幅に下回る年貢高になっていました。
 ということは「有無を言わさず取り立てる」のではなく「左様か。仕方ないのう」とお代官が決裁したということですね。

 大掃除をしていた時、沢山の反古に混じって『月並み俳句会』の投票用紙が出てきました。
 参加した人が、その日の自信作を半紙に書いて回覧し参加者が点をつける…というものですね。
 お坊さんも当然いたでしょうが、お百姓であったり小さな商人であったりと、普通の人たちです。
 若し「活かさず殺さず」の境遇であれば、とてもこんな遊びはできない筈ですね。

 白浜ダムの近くに、今は使っていない感慨用の堰があります。
 明治初年の完成記念碑に、主立った先達と思われるお百姓の俳句が刻んであります。
 生活にゆとりがなければ出来ないことでしょう。

 上は私が体験した例のうちのいくつかですが、江戸時代全般の治安や自治についてならば、世界にまれな住み心地よい世界をお示しできます。

 それでも尚「徳川時代は暗黒だった」という人が若しいれば、ぜひお考えを聞きたいのですが、青息吐息の暮らしとはかけ離れた、現在より遙かにゆとりに満ちた日常生活が目に見えるようですが、如何でしょうか。

by oantaka | 2014-02-05 21:06 | さざえのつぶやき
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日が山の端にかかる残り少ない時間。思い浮かんだあれこれの独り言です。


by pantaka
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